現在の20~40代のサラリーマンは「親より豊かになれない」と言われています。サラリーマンの遠い夢、マイホームはさらに遠のいてしまうのか。購入派と賃貸派はどちらがお得か検証。
マイホーム、購入?or 賃貸?
「マイホーム購入と賃貸はどちらが得なの?」
という質問には一概には答えがないのが現状です。じゃあ、自分で判断するにはどうすればいいのか。その判断基準は、
賃貸はただの消費で、マイホーム購入は投資
これを理解していなければいけません。
マイホーム購入が当たり前だった時代
団塊世代がマイホームを購入した時代は、現在よりも土地の価格が低く、また日本は経済成長の真っただ中にあり、不動産価格は年々上昇していました。
「不動産価値は下がらない」
と言われ、いつか売ることになっても、購入したときよりも土地が高く売れるという、『土地神話』だとさえ言われていました。こういう時代であれば、2500万円で購入したマイホームに何十年か住んで、3500万円で売れるのであれば、マイホームを購入しますよね(笑)
しかし、時代は変わりました。
購入した不動産価値が、購入した時よりも高く売れることはほぼ不可能です。なので、マイホーム購入か、賃貸かを真剣に考えなければいけない時代になっているのです。
たんなる消費の賃貸
賃貸住宅を利用することは家賃を支払い続けるという消費です。
支払い続けるということで、健全性は保てますが、収入が上がらずに、ただ漠然と消費し続けているだけでは、将来、特に老後の家計は厳しくなる可能性があります。
マイホーム購入は投資
マイホーム購入は不動産投資であって、不動産価値が上がり、購入した土地を売れば利益が出ます。団塊の世代の多くの人たちは、この不動産投資に実際、成功しました。そういう時代だったからです。
残念ながら現在は違います。
しかし、違うからといってマイホームを購入できないわけではありません。
実際、マイホームの購入は購入する物件の1/10の頭金を用意すれば、その10倍の値段でマイホームを購入できます。このレバレッジを利かすということが投資以外の何ものでもないんです。
レバレッジとは簡単にいえば、てこの原理のように、小さな力で大きなものを動かすということなので、少ない手持ちのお金で多額のお金を投資します。
不動産投資と言っても、マイホームなので十数年と住みます。少ない手元資金で購入した土地の不動産価値が高くなれば大きな資産をつくるチャンスです。
しかし、レバレッジが効いている分、損害が大きくなるリスクも常に付きまといます。
現在、1世帯当たりの住宅数は1.15戸。つまり、1世帯が1戸の住宅に入居するとしたら、全体の15%が空き家になっています。
おまけに、転勤、リストラなどの永久雇用の崩壊、隣人トラブルの増加や震災などによる災害のリスクも考慮しなければなりません。なので、マイホーム購入という人生最大の投資を行う場合は上記のリスクを理解し、全てを引き受ける覚悟で、「成功率を上げる方法」が必要です。
マイホーム投資の成功率を上げる方法
マイホーム投資を成功させるには、すべてにおいて緻密な準備が必要です。
マイホームは立地が全て
誰も住まない場所には市場価値や資産価値はありません。マイホームはすべてにおいて、
「立地選び」
の一言に尽きます。
マンション選択なら管理
マイホーム選択としてのマンションであれば、どんな管理が行われるのか、また管理組合はどんな形で運営されていくのかをしっかり確認することが大切です。
「管理」
を買うつもりでマンション選択を。
中古物件の見極め方法
履歴
- 設計図書
- 修繕やリフォームなどの契約書類
- ホームインスペクション報告書
などは必須です。
点検とメンテナンス
所有者が点検やメンテナンスを定期的にしていることが大事です。
建物
複雑な形状の建物は角や隅が多くなるため、雨漏り、水漏れなどの可能性が高いため、補修が必要なことも。立方体などのシンプルな建物がおススメ。
素材
素材はメンテナンス期間が長い素材や仕様であることが大切です。キッチンは汎用性の高いモノがベスト。
省エネ性
世界基準は “省エネ” 日本は2020年から省エネ基準が義務付けられる(遅っ)
行政サービス
自治体によっては税収が厳しく行政サービスが縮小傾向にあるところもあり、自治体格差が顕著です。行政サービスが充実している自治体を選ぶことも大切です。不動産価格には自治体の価値も含まれています。
マイホーム購入は、
「大きな借金による、自分が住む不動産への投資」
です。一生涯で一番高い買い物なので、絶対成功させたいですね。
まとめ
賃貸かマイホーム購入かはリスクをどうとらえ、どう付き合っていくかが大切です。なので、家計のバランスシートに大きな負債を抱えるリスクを理解せず、今の家賃と比較した損得勘定だけで購入か賃貸かを決めるのは大変危険です。
賃貸はたんなる消費で、マイホーム購入は住宅ローンを組み、大きな借金をして長い間、自己資産を住宅に固定することであるということを忘れないでおきたいところです。
宜しければ参考↓↓↓にどうぞ
【追記】
「戸建て or マンション、どちらを選ぶ?」
と聞かれたら、新築に限っていうと、戸建てやマンションのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で選ぶのも一つの手です。
一戸建てのメリット
- 管理費や修繕積立金、駐車場代(または駐車場管理費)などはない
- 築年数が経過しても資産価値は土地にある
- 管理組合などへの参加義務がない
- 一戸建てとして独立性が高いのでプライバシーが保てる
- 隣家と距離があれば騒音で神経質になることもない
- 自由に増築や建て替えができる
一戸建てのデメリット
- 同じ立地条件だと物件価格が高い可能性がある
- 将来の修繕費を自分で貯めなければならない
- 空き巣や放火などの防犯を強化する必要性がある
- 日商面や保温面、害虫面など優位性に劣る場合がある
マンションのメリット
- 同じ立地条件だと一戸建てよりも物件価格が安い傾向にある
- 将来の修繕計画が比較的しっかりしている
- 空き巣や放火などの防犯面で優位性がある
- 日照面や保温面、害虫面など優位性がある場合が多い
- 近所付き合いなどを積極的にすることで協力を得やすい
マンションのデメリット
- 管理費や修繕積立金、駐車場代(または駐車場管理費)などの負担がある
- 資産価値は立地にもよるが一戸建てに比べ、期待できない
- 騒音問題が絶えない
- 管理組合などへの参加義務がある
価格面で見ると、一戸建ての方がマンションよりも高くなってしまう傾向にありますが、管理費や修繕積立金、駐車場代(または、駐車場管理費)などがかからないのは一戸建ての大きなメリットといえます。毎月3万~6万円程度の負担があるかないかでは、30年とか40年といった長期になると、少なくとも1000万円程度、多ければ3000万円以上の違いになってきます。もちろん、一戸建ての場合は、将来の修繕費を自分で貯めなければならないので、必ずしも一戸建ての方が有利だと断定できませんが、それなりの優位性はあるといえます。
また、資産価値についても、一戸建ての土地部分は築年数が経過しても劣化するわけではないので、土地としての価値は残ります。マンションの場合だと、建物部分と土地部分を分離して売却することができないので、築年数の経過にしたがって資産価値は下がってしまうのが通常。
しかし一方で、マンションの場合は、防犯面や生活面でのメリットが挙げられます。カギ1本で戸締まりが済むといった利便性だけでなく、管理人が常駐していたりオートロックだったり、セキュリティ会社とマンション単位で契約していたりするなど、防犯面ではマンションの方が優位性は高いでしょう。一戸建てでそれらを自分で備えようとするとかなりの、費用負担が必要になるはずです。生活面でも、マンションの場合は管理組合への参加などが義務づけられますが、近所付き合いなどを煩わしく思わない人にとっては、近所とのコミュニティができることで精神的にも安心感のある生活が可能になることは確かです。
これから住宅購入の検討を始めようとする人は、一戸建てとマンションのどちらかに限定せず、とにかくたくさんの物件をあたってみることが得策です。実際の物件を数多見るなかで、自分と家族にとって妥協できるポイントや妥協できないポイントが少しずつ見えてくるので、その中で納得いく終の棲家を見つけることが大切です。
それでは良い一日を!
【改訂】2016/04/17